助産師を辞めて訪問看護師としてはたらいた話
こんにちは、助産師なのに訪問看護師をやったことある人、てんです。
そんなわたしの経歴をまた書いてみますので、ヘアピンコーナーを曲がるかのような産科⇒在宅看護という分野変更をお楽しみください。
- 看護師学校で学んだこと
- 助産師は妊娠~産後の女性に特化
- 助産師で6年働いたあとどうなっているか
- 再就職先は訪問看護ステーション
- 訪問看護師の仕事
- お産の世界から訪問看護
- わたしの看護観は経験でつちかわれた
看護師学校で学んだこと
助産師は看護師の資格を持っていないとなれないので、基本は看護師でもあります。
妊婦さんも妊娠する前は女性なんですもんね。
看護学校では人体について疾患(病気)についてや性別、年齢などの特性全てを理解しなくてはなりません。そりゃもうみっちり叩き込まれます。病気だけを勉強したって駄目なんです。医師は病気を診(み)る、看護はその人全体を看(み)ると教わります。
患者さんがどう思っているのか、何を望んでいるのか、当然病状はどうなのか…効果的に医師が治療できるように携わる必要があります。患者さんと医師の足並みが揃うようにと多方面から看るわけです。
助産師は妊娠~産後の女性に特化
助産師はお産を取り上げる事が出来ます。異常のない場合に限ってですが、助産師だけで出産を完結するお手伝いが出来るのです。新生児についても同じで、お母さんと赤ちゃんを診ていきます。
ということは助産師は、ほぼ女性しか看ません。赤ちゃんは別ですが。
看護の仕事は患者さんの体を看る事や触れる事で成り立ちます。
助産師は女性には妊娠できるようになる思春期から指導でかかわっていますが、看護師と比べて男性患者さんに接することが極めて少なくなってしまうので、男性の看護には疎くなりやすいです。これは仕方のない事ではあります。
助産師で6年働いたあとどうなっているか
最初に書いたとおり、混合病棟で働いていたので出産だけではなく色々な病気の患者さんにも接していました。でもやっぱりお産の時はそちらが主になり、無事に赤ちゃんが生まれれば今度は赤ちゃんを看護します。
さらに病棟は女性か小児科の男の子しか入院していませんでした。婦人科混合なので当然です。
結果的にわたしは看護師として男性に関わることはありませんでした。
再就職先は訪問看護ステーション
お産に関わる気力がなくなって助産師を6年で退職し(ここはまだ掘り下げない)、わたしは再就職先として日勤だけの施設を探しました。このとき全く経験も知識もなかった訪問看護という分野に飛び込んだのです。よくもまぁやったなぁと思います。
訪問看護は在宅で療養をしている介護を受けている方の自宅を訪問してケアを行うことです。対象となる方々は多岐にわたり、性別年齢疾患から家庭社会背景もさまざまでした。
高齢の方、事故で重度の障害を負った方、呼吸器を使っている方、生まれつきの疾患で自力では横になる事もトイレにも行けない方、自宅看取り(亡くなる事)の方もいらっしゃいました。
訪問看護師の仕事
そういった訪問先でご本人やご家族と一緒に工夫を凝らしながら日常生活を送るためのケアをおこなうのですが、車でうかがって1時間以内、スタッフも自分一人か多くて二人でした。移動時間は別です。
- 清潔(入浴や体をふく事など)
- おしっこやお通じの管理
- 経管栄養の管理
- リハビリ
- 点滴の管理など
これらを病院の様な治療・看護に最適な環境とは全く違う、自宅の設備でしかも自分一人でおこなうことが多いのです。今書いていても想像するだけで大変。
お風呂に入ってもらうために車いすに乗って長い廊下を移動する、高齢と認知症のためスムーズにはいかない…しかも大柄の男性だったり…。わたしも20代でしたがちょっと腰が痛くなったりしました。
お通じに関しては看護師の人で高齢者に関わる人は分かるかな。具体的には書かないでおきます。もしも、ぜひ知りたいという人はコメント下さい。経験談ならお話しできます。
経管栄養は口から食事を取るのが難しい患者さんに、鼻やお腹から胃に直接つなげた管を通して栄養を取れるようにすることです。
リハビリは、理学療法士さんの立案した計画にのっとって実施していきます。自宅で行うので、歩行や起き上がりに必要な訓練が主でした。
点滴は病院から出されたものを自宅でおこないます。
お産の世界から訪問看護
お産に関してはTVで紹介される事もありますし想像がしやすい方だと思います。
でも訪問看護となるとあまりピンとこないかもしれません。なんとなくイメージ伝わりましたか?
お産の痛みに耐えるお母さんに「それでいいよ、上手」「生まれたよ、おめでとう」
ほやほやの赤ちゃんをお風呂にれる、両親が赤ちゃんの手当てができるように支援する、全部がそうではないけどなんとなくやわらかな匂いのする風景。
そんな世界から、訪問車をぶーーんと走らせて「こんにちはー」「今日は顔色いいですね」「旦那さんの次の受診はいつですか」なんて話しながらお風呂や排泄のケアをする。たまには家族の愚痴をたんまり聞いて帰る。
こんな感じの変化でした。めちゃくちゃストレスが多かった。自宅にお邪魔するってアウェーな感じで、はじめの方はそれだけで本当にキツかった。いまはいいババアになったけど、今でもきっとそうかもしれない。
わたしの看護観は経験でつちかわれた
でもこのアウェー感、逆に考えると病院に来る患者さんや妊婦さん達もそう感じているということじゃないの。きっとそうに違いないとあらためて思いました。
病院で言いたかった事や聞きたかった事を伝えられなくてモヤモヤしてる人はきっといて、それをできるだけ解消したいと思ってはいたけれど、この経験は実体験としてわたしの看護観に強く結びつきました。
その後もデイサービスにも行ったし、開業医でも働いたよ。そして今はまた助産師。
落ち着かない人だねわたし。そんな経験もってるババア助産師てんの話でした。
ありがとうございました!
*看護師でこれを読んでくれた人へ*
同じ科でしか経験がなくて他のところへ移りたいって人も、大丈夫だよ。みんな同じだから。
医療も看護もめちゃくちゃ進歩と変化してるから、新しいところで初めて見ることも出てくる。それはその時勉強して吸収していけば問題なし。っていう持論でした。
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